おロの健康は認知症に影響

摘要

現在，世界には認知症患者が約5000万人いるといわれており，これからさらに増え続けると予想されている。認知症発症の前段階として「軽度認知障害(MCI)」という状態が知られており，MCIの発症を予防することは，認知症発症を減らすことにつながると考えられる。近年，口腔機能の低下と，認知機能の低下認知症の発症との間に相関関係が見られることが報告されている。今回，東北大学の木内桜博士らは，口腔機能の悪化が主観的な認知機能を低下させるかどうかについて，6年間の調査データを用いて検討した。その結果，嚥下(飲みこむ)機能の低下，咀嚼機能の低下，口腔の乾燥感，歯の喪失などが生じた人では，認知機能が低下するリスクが高まったことが示された。