「新宿ホワイトハウス」を巡って

摘要

「もはや戦後ではない」（経済白書「日本経済の成長と近代化」1956年）と宣言された高度経済成長期前夜の目覚ましい経済復興の最中，1960年に前衛芸術グループ「ネオ・タダ」が結成されました．メンバーは吉村益信，篠原有司男，荒川修作などのアーティスト13名（ネオ・タタ層参加者）．その過激な活動は，当時のメディアを賑わし，脱戦後の一時代を標模しています．そんなネオ・タグの拠点「新宿ホワイトハウス」（吉村益信のアトリエ兼住宅）は，1957年，吉村氏と同郷の建築家・磯崎新氏によって設計されました．「大分県医師会館」以前に関わった建物で，磯崎氏のいわば処女作です．建築史家・藤森照信氏をコーディネーターに，半世紀振りに設計者の磯崎氏，ネオ・タタの吉相民　赤瀬川原平氏にホワイトハウスへお集りいただきました．（編）