ふたつの「世紀末」の架橋

摘要

建築史家で青山学院大学教授,明治村館長の鈴木博之氏が2014年2月3日の朝,都内の病院で肺炎のため逝去した.2008年に肺癌の摘出手術をしてから6年目.68歳という早逝であった.闘病期間中も,鈴木は精力的に活動を展開してきた.昨年完成した東京駅丸の内駅舎保存•復原(本K1211)や,国立近現代建築資料館(同1303)の創設は代表的な仕事である.さらに『庭師小川治兵衛とその時代』(東京大学出版会.2013年)は学生時代からの40年近い調査結果をまとめた集大成的な著作である.