月評

摘要

飯田善彦建築工房の龍谷大学深草キャンパス 和顔館を見て，軍艦島を思い出した.建築と土木の区別がなくなって，立体的な都市になっている.何枚もの長大なスラブを重ね，それらを渡り歩く新しいキャンパス体験が生まれている.しかち，無駄なく清潔簡素なのに，その長さをちっとも感じさせない豊かな濃淡の襞があって，どこをとっても快適な空間になっている.こんな「都市のような建築」，そうそうできるものではない.