長谷川醸庫 みそ•蔵カフェ

摘要

長年この場所で「みそ蔵」を営んできた夫婦にとって，母屋で生活の機能は賄いながら，倉庫を改修した全天候エリアのキッチンや食事の出来る紙舎，庭の見渡せる木舎を自分たちの生活の中で楽しもうと当初は考えていた.しかし建物の設計が進む中で，より地域に関れる施設として何かできるのではないかという思いがおふたりに強く芽生えてきたように思う.それは，今春に東京(→)金沢の新幹線の開通によって観光客の増加が見込める中で，金沢に比べ観光資源が少ないこの町で，新たな観光スポットとして古い街並みを活かした場の価値に対して市や地元の商工会が注目し始めたこともあった.その中で，この建築は地域の町おこしのー端として期待されている.古い建物を「何とかしなければ」という当初の思いから地元の期待に応えるための施設として，「みそ•蔵カフェ」のさまざまな活用を皆で考え，展示会やゲストハウスとしての利用など，すでに場としての認知が広がりつつある.