質の高い建築を生み出すための働き方改革

摘要

戦前は郵便事業を行う適信省が空港の管轄をして いましたが，創設者の清田文永は早稲田大学を卒業し，その経理局営繕課に1935年に入省しました. 1940年に現在の日本航空の前身である大日本航 空という国策会社に移り，羽田や横浜の格納庫や 工場，台北や韓国の金浦空港ターミナルの設計に 関わったのが「空港の梓」の原点となります.終戦 後，大日本航空は解体され，1946年に独立して梓 建築事務所を開設しました.その最初の仕事が立 川や座間，府中などの進駐軍の航空基地の工事監 理の仕事でした.その後1951年に日本航空が設 立され，支店や格納庫などの仕事をやるようになり， 徐々に全曰本空輸や各地の空港ターミナルを手掛 けていきました.戦前からの経験の中で蓄積して きたノウハウと人脈が，うまく活きたのだと思いま す.今では利用客ベースで国内空港の75%に携わ り，その他格納庫や整備工場などの関連施設も数 多く手掛けています.現在，国内民航部門では新 設の空港はなぐ改修や増築の仕事が中心になっ ており，全体の売上で見ると比率は小さいのです が，これからも大切にしていきたい分野です.