国家総力戦の現出

摘要

「シェリーフェン・プラン」の瓦解は短期決戦構想の破綻でもあった。英仏独各国は人命と物量の「消耗戦」へ突入し、そしてそれは国家のすべての力を動員する「国家総力戦」へと移行した。プロイセン軍の参謀総長であるヘルムート・カール・ベルンハルト・フライヘア・フォン・モルトケ(一八○○～一八九一。いわゆる大モルトケ)は、ドイツが統一される前から、ヨーロッバ中央部に対する東方のスラブと西方のラテンの提携を予期しなければならない、と考えていた。そして、一八七一年遂げられると、すぐに東西二正面での戦争に備えた詳細な戦争計画の作成に着手した。