翔鶴型航空母艦「翔鶴」「瑞鶴」

摘要

翔鶴型は昭和12年(1937年)度の第三次海軍軍備補充計画(㈢計画)にて建造された。この計画は海軍軍縮条約開けを睨んだ、排水量制限を考慮しない建艦計画であり、翔鶴型は大和型戦艦とともに本計画の目玉として建造された。元々、翔鶴型は「蒼龍」「飛龍」と同様、艦戦と艦爆を搭載する排水量1万8000トン程度の中型空母として計画されたが、海軍の戦策の変遷に伴って大型化し、結局排水量(公試)は3万トンクラスとなっている。一番艦「翔鶴」は昭和12年12月に横須賀海軍工廠にて起工、昭和14年6月に進水し、昭和16年(1941年)8月8日に竣工した。二番艦「瑞鶴」は昭和13年5月に川崎重工神戸造船所にて起工、進水は昭和14年11月で、竣工は昭和16年9月25日。「瑞鶴」の起工は「翔鶴」のおよそ半年遅れだったが、太平洋戦争開戦が迫る情勢下で建造が急がれた結果、竣にはわずか1カ月遅れとなった。