実験データの整理と数式化　第1講　データをプロットしたときの数式化

摘要

データをグラフに表して何らかの相関関係を見 出そうとする場合，X-Y座標系を用いられる． この場合，ひとつの条件にたいしていくつかの実 験を行い，その平均をとってプロットし，ズとY の関係を議論する技術者がしばしばみられる．し かし，実験値（サンプル）の平均値が全体（母数） の平均と一致するとはかぎらないことは自明の理 である．大事なことは，すべての実験値をプロッ トしてみて傾向をみることである．そしてプロッ トしたデータのなかから本稿で述べたような数学 的に現わされる関係をみつけることである．X- Y座標系で見つけられないときには対数方眼紙， あるいほ確率紙にプロットしてみることである． 確率紙にプロットする場合にほデータを並べ替え （順序統計量）る必要がある．いずれにしても， 採取したデータはすべて大事にするべきであり， 機械的に平均値をだす操作は誤った結論を導く危 険がある．本講座ではデータの取り扱いはかりで なく，現象の数学的記述についても報告する．