水圧破砕に着目したロックフィルダムのコア幅の合理的設計

摘要

わが国においては，土質遮水壁型ロックフィルダムの建設に当たって，十分な量のコア材料の確保が困難であったり，多雨あるいは寒冷地域では，コアの施工が施工全体のクリティカルパスとなったりすることがしばしば見られる。そこで，土質遮水壁型ロックフィルダムのコア幅を縮小することで建設の合理化を図ることが考えられる。中央土質遮水壁型ロックフィルダムでは，コアの上下流勾配として1：0.2を採用することが一般的である。しかし，この勾配の設定根拠が明確でないため，適切な工学的な判断に基づいたコア幅の縮小が達成できないのが現状である。既往の検討結果から，コア幅の縮小にあたっては，コアの水圧破砕の検討が重要であることがわかっている。