高木兼寛の脚気栄餬説についての一，二の問題（綼々）: かつて要素還元的方向にすすまなかった日本の研究

摘要

日本で生まれ，国際的に著名な研究でありながrnら西欧流の要素還元主義的研究（分析的研究）にrnすすまなかった医学生物学領域の研究がある．高rn木兼寛（1849-1920）の脚気栄養説，森田正馬（1874-rn1937）の神経質（症）の療法（森田療法），今西錦rn司（1902-1992）の生物進化論である．これら三つrnは周知のように，それぞれ明治，大正，昭和に生rnまれた日本土着のきわめて独創的，希少な研究でrnあったが，いずれもその成果を西欧流の要素還元rn的研究に乗せることを好まなかった．それは共通rnして東洋思想の影響がつよかったためではないかrnと思われる．