タイ国の近代化とタイ東北部における手織物の変遷

摘要

タイ東北部において、手織物の説明に「バッタナー（開発）」と「ボラーン（伝統）」という2つの言葉がよく使われる。パッタナーは、単に商業目的に開発された手織物という意味で使われるのではなく、1970年代以降に、タイ国の都市部から広がったパッタナー・チュムチョン（地域社会開発）政策によって生み出された手織物を説明するために使われる。パッタナー・チュムチョンは、経済的、社会的な地域開発を目的とし、地域住民が参加する形で開発が進められてきた。