費用対効果評価-医療技術のイノべーション評価と国民皆保険制度の持続性の両立

摘要

超高齢化社会の到来による社会保障費の膨脹に対応した，持続可能な社会保障制度の構築が，わが国の政策の急務となっている.中央社会保険医療協議会（中医協）では，革新的な医療技術の取り扱いの議論等で，医療保険制度においては費用対効果の議論を行っていくべきとの指摘がなされ，2012年の診療報酬改定に係る附帯意見において，「保険適用の評価に際し費用対効果の観点を可能な範囲で導入することについて検討を行う」こととされた.これを受けて，2012年5月に費用対効果評価専門部会（以下，部会)が設置され，制度化の検討が進められている.