第51回計測部会

摘要

個人線量計に関する最近の話題に，眼の水晶体の3mm線量当量Hp (3)と個人線量測定サービス事業者の認定制度の導入があるが，そのいずれにおいても線量計の性能等に関する規格の整備は重要である.電子式個人線量計の規格にはJISZ4312 ： 2013があり，IEC 61526 ： 2010が対応国際規格であるが，どちらにもHp(3)は適用範囲に入ってい ない.受動形の個人線量計に関するJISはこれまで，JISZ4320熱ルミネセンス線量計，JISZ4314蛍光ガラス線量 計，JISZ4339光刺激ルミネセンス線量計の三つの規格が別々に定められていたが，2017年11月にこれらの規格を統合して，新たな規格番号のJISZ 4345 「X· γ線及びβ線用受動形個人線量計測装置並びに環境線量計測装置」が制 定された.JIS Z 4345の制定は，受動形個人線量計に共通する規格としてIECが2012年にI EC 62387を制定したことに対応したものである.国際整合性を+分に図ったため，それまでの関連JISの規定内容を大きく変更せざるを得なかったが，受動形個人線量計全般に係る規格が整備された.大きな変更点の一つには，Hp(3)が適用範囲に含められたことがある.