国際海上コンテナ輸送におけるコンテナ船の配船変化が中国の港湾整備に与える影響について

摘要

近年、経済のグローバル化やアジア地域の急速な経済発展により、中国をはじめとするアジア地域から北米や欧州向けのコンテナ取扱量が飛躍的に増加している。しかし、急增したコンテナ取扱量に対し、中国の激弯整備は追いついていない。そのため、港湾建設を加速して貨物取扱能力を引き上げ、港湾のサービス機能を高めるために、中国政府が港湾整備と配置に関する計画などを作成した。この多様な港湾政策の実施に伴い、中国各港湾の貨物取扱量とコンテナ取扱量は年々増加してきた。しかし、個別の港湾について見ると寄港サービス数や取扱量などが非常に少ない港湾も政府の計画ではハブ港として含まれており、その計画の見直しが必要といえる。さらに、今後のパナマ運河の拡張や船舶の大型化という環境変化を考慮すれば、コンテナ船の配船が大きく変わる可能性を持っており、港湾整備や船会社の建造計画などに大きな影響を与えると考えられる。以上の問題を踏まえ、本研究では、コンテナ船の配船状況と港湾の整備状況の比較から、将来の中国における港湾の配置及びその整備について検討結果を示すことを目的としている。