共食エージェントの食事行動同期の効果

摘要

ライフスタイルの変化など様々な理由から孤食者が増加しているが，人と共に食事をする共食には長所があり，共食の研究ならびに共食を実現する研究も進められている．これまでに，食事行動をとる共食エージェントが開発され，その効果も確認されているが，本研究では，共食エージェントの食事行動を食事者の食事行動に同期させる場合とそうでない場合の効果を比較した．実験の結果，食事者の食事行動自体は，エージェントの食事行動を食事者に同期させる場合と，そうでない場合で大きな差が見られなかったが，エージェントの食事行動を食事者に同期させる場合の方が，食事者のエージェントへの視線量が多く，食事の満足度やエージェントに対する印象が向上することがわかった．さらに，同期させたエージェントへの視線量が多いのは，食事者が摂食する時点からその後腕をホームポジションに戻すまでであることがわかった．