居住地域における風車騒音の実態調查

摘要

2000年頃から再生可能エネルギー利用として本格的な風力発電施設建設が始まつて以来，風車騒音問題が取り上げられることが多くなつた。道路交通騒音等の交通騒音問題に比べると風車騒音の歴史は浅く，その実態もよく分かっていなかった。また，居住地域における風車騒音の測定方法や評価方法もなかった。そのため，当初は「騒音に係る環境基準（以下，「環境基準」）」[1]及び，その測定マニュアル[2]により対応がなされることが多かった。しかしながら，風力発電施設の多くは山間部や沿岸部の静穏な場所に建設されることが多く，環境基準の地域類型が指定されていない場所が多い。そのような地域における騒音を環境基準で評価することへの疑問もあった。