15年戦争期の大学における医学研究-旧満洲医科大学を事例として

摘要

医学研究の分野において大学の研究者はいかに戦争と関わったのか．戦時の医科大学 での医学研究の実態を把握し，さらにその研究を生んだ歴史的背景や契機について 探ってみると，軍の援助を受けながら，軍の暴力に便乗することによって新しい研究 業績が蓄積されていったことがわかる．それは，医学者自ら暴力装置の歯車のひとつ となってしまったことを物語っている．