自民党「日本国憲法改正草案」とセクシュアルマイノリテイ

摘要

自民党は2012年に「日本国憲法改正草案」を発表した.とりわけその第24条の「家族や婚姻に関する基本原則」は，天皇を元首とする家父長制へと回帰するような内容となっており，ジェンダー研究者によって批判されてきた.この改変は，セクシュアルマイノリティの生活環境にも直接影響を与えるものである.本論では，ミシェル·フーコーの生権力論を手がかりとしながら，この第24条の内容を分析する.