近年、設計問題はますます不安定で不確かなものになってきており、複雑な問題に立ち向かう設計者には既存の枠組みを打ち破る豊かな創造性（creativity）が求められるようになってきている。本研究ではそういった設計者の創造的思考の仕組みを解明し、それを支援する具体的な設計方法を提案することを最終目標とするものであるが、その中でも特に認知言語学や人工知能等の多くの分野で人間の認知構造を支える概念として近年研究が発展してきた「メタファー（隠喩）」（metaphor）や「アナロジー（類推）」（analogy）の概念に注目してきた。メタファーやアナロジーは「既知の事柄を通して未知の事柄を理解する」というプロセスを含むことから、未知のデザインを生み出す設計者の創造性に深く関係すると考えられるからである。%The aim of this study is to clarify the role of metaphors in architectural design. In order to analyze the metaphors in (he context of design process, we conduct a design experiment in which 23 architectural students participated. Then, we describe the design processes of each examinee as semiosis based on C. S. Pence's 1) It is possible to analyze the design process in detail by means of describing it as semiosis. 2) Students often create the designed object using metaphors in place of thinking about it directly. 3) Metaphor as a design objective determines the direction of entire design process.
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