特徴的な屋内外空間をもつK小学校における「記憶に残る場面」の分析: 成人による振り返りに基づく学校建築空間の再考 その3

摘要

In this paper, we analyzed "Memorable scenes" and factors of how they are formed. The target was graduates of K Elementary School, which has particular design of both school buildings and yard. As a result, from the viewpoint of strengthening the capability of easy recollection and recognition of school environments in adulthood as a foundation for own growth and development, this paper pointed out the importance of school environment design that includes not only school buildings but also exterior space, and creating the environment with both learning and playing factors where children are able to proactively make activities.%従来，学校建築のあり方の提案は「建築（校舎）」を中心としされてきたが，既往研究では卒業生の外部空間への言及率が校舎に比較して高かった。このため本稿では，校庭など外部空間もより積極的に含む計画•検証も必要と考え，建築（校舎）と外部空間のいずれにも特徴的な計画的提案がなされたK小学校卒業生を対象に記憶に残る場面とその要因を分析した。本稿による知見を以下に述べる。学校全体の配置図の描画結果では，描画要素の多寡では学校の環境や生活への評価は測れないことがわかった。しかし，記入要素が少ない場合でも，中庭に配された"小さな外部空間の要素"は比較的記憶/回想されやすいなど，記憶/回想のされやすさには空間との関係で一定の傾向もみられた。また[中庭•校舎周辺•校舎内]エリァには回答者それぞれの印象に残る要素がある，コの字型校舎の外側（裏庭）など周辺エリアはあまり記憶/回想されていない，[中庭•校舎内]では基本構造の要素から回答者ごとに異なる要素までが記憶/回想されている，など空間構成との関連も読み取れた。