地方都市中心市街地における連担空地の構成栃木県宇都宮市を事例として

摘要

地方都市の中心市街地では、人口減少や市街地周縁部への人口流出を背景としで空洞化が進行し、駐車場や未利用地といった空地が数多く存在している。そこでは、空地の増加に伴い、隣合う敷地が空地になるという空地の連担がみられる。これらの連担する空地は、所有上は個別の空地だが、連担することでひとまとまりの空間として出現しており、隣接する建物と一体となって、現代の地方都市の都市環境を形成している。こうした中で、街路に面する連担空地によって街並みの連続性が失われたり、連担空地が対面する街路に面したりするなど、空地の連担がもたらす空間的な特徴が見受けられる。また、連担空地が隣地の建物と接する箇所では、これまで他の建物に隠れていた建物立面が街並みの一部として表出し、建物の開口部やピロティ等が面することになる。こうした建物の中には、隣に空地があることを前提として、空地に開口部等を向けるように建てられたものもあり、建物の立地環境が変化していると考えられる。これらは、敷地と街区の中間的な単位としての連担空地の特徴的な構成を示しているものだと考えられる。%The aim of this paper is to clarify the composition of connected vacant lots in the center of local city of Utsunomiya, Tochigi prefecture. Firstly, the configuration of connected vacant lots are analyzed through the number of adjacent road and polygonal vertexes. Secondly, the charactaristic of the adjacent buildings are analyzed through their height, size, and building elements such as opening and pilotis. Finally, the composition of the connected vacant lots are clarified as simple configuration that face large-scaled building, simple configuration that face contrastive elevation surface of the low building and complicated configuration that have the continuity by the opening and the pilotis of middle-to-low building. In conclusion, this paper clarified configuration of conncted vacant lots, and found that the relationship between vacant lots and buildings forms new urban environment.