東京臨海部の集合住宅における居住環境としての水辺の整備方策に関する研究

摘要

都市の臨海部は、陸と海を接続する地域として港湾を中心に開発されたが、東京の臨海部では、産業構造の転換を経て大きな敷地を確保できるという利点から、ここ20年ほどで大量の集合住宅が建設され、人口が急増した。しかし、新しい居住地として短期間で開発を行った臨海部は、居住者の世代構成に偏りを生じさせて将来に急激な高齢化を迎え、居住地のスラム化やゴーストタウン化といった問題が生じる恐れもあり、地域の衰退に向かうことが危惧される。このような流れの中で、臨海部の衰退を防止し引き続き多くの住民に選択される良好な居住地として持続していくかどうかは慎重に見極める必要がある。したがって、東京の臨海部においては適切な管理のもとで、居住環境改善を目指す居住環境に対する評価を通じて居住者が満足する良好な居住地を形成するための整備方策の検討が望まれている。