集落と街道の生成: 都市・集落を形成するアルゴリズム

摘要

本稿は，都市・集落の形成過程は普遍的法則とノイズとして振る舞う地域性の二つでモデル化が可能という大前提の下で，まずは極めてプリミティブな集落と街道の生成過程を想定して，自然発生的な集落と街道の自動生成を可能とする二つのアルゴリズム（集落配置アルゴリズムと街道生成アルゴリズム）を捏案している。そして，二つの実地域を用いてアルゴリズムによる再現性の検証を行ったものである。現時点の成果として基礎的研究の域を出ない感は否めない。しかし，筆者も述べているとおり，集落や街道の発生時期の考慮や試行例を増やすなどで，生成される形態と実際のそれとの差の分析を行うことで，都市・集落の形成過程の普遍性と地域性にかかる何らかの知見を得ることができれば有益であろう。さらには都市形成史的ないし都市計画技術的観点からの有益な知見が得られることを期待したい。%This study is aimed to find the generality and the regionality of city and settlement. This paper shows the algorithm for generating subsistent settlements and boulevards which are naturally raised. The evaluation of the flatness of the land gives the expectation of the settlement locations. Then on the network consist of these settlement as node, the evaluation of the total vertical interval of the trail, and thus the optimization of the route give the future boulevards. Through the case study on Musashino Highland and Owari Plain, the efficiency of this algorithm is proven.