《抗菌薬を使いこなすための知恵：薬物からみた抗菌薬の特徴を知ろう》: 抗菌薬の相互作用

摘要

1. 薬物相互作用には，薬物動態学的な相互作用と，薬力学的な相互作用がある．rn2. 有害な薬物相互作用には，作用の増強により毒性が現れる場合だけでなく，作用の減弱にrnより期待した薬効が得られない場合も含まれる．rn3. 薬物動態学的な相互作用は，吸収，分布，代謝，排泄の各過程で起こりうる．rn4. 薬物動態学的な相互作用のうち，代謝過程で起こる相互作用の発現頻度が高く，臨床的にrn重要なものが多い．rn5. 代謝過程で問題となる多くの薬物相互作用には，チトクロムP450が関わっている．rn6. 排泄過程で問題となる主な相互作用は，尿細管分泌の抑制である．同じ輸送系で運ばれるrn薬物を併用すると，薬物の排泄が遅れ，作用の増強をみることがある．