移植後真菌感染症の予防と治療

摘要

1.造血幹細胞移植患者で問題となる頻度の高い真菌感染症は，カンジダ症とアスペルギルス症である．rn2.侵襲性アスペルギルス症は，確定診断が困難であり，いったん発症した場合の予後は不良である．そのため，胸部CTやガラクトマンナン抗原検査を用いた早期診断が重要である．rn3.抗真菌治療を開始する場合には，予防投与，経験的治療，標的治療などの目的にあった抗真菌薬を，エビデンスに基づいて選択する必要がある．rn4.侵襲性アスペルギルス症の標的治療は，voriconazoleが第一選択薬であり，代替治療としてliposomal amphotericin Bが使用される．