脳外科領域 この10年の進歩

摘要

他領域と同様に脳神経外科領域でもこの10年で診断•治療法には大きな進歩がみられた.また新たな治療対象として注目される疾患も出てきた.すべてを網羅することはできないが.内科医にとくに知っていただきたいことを分野別に概説する.脳血管障害の領域では,脳梗塞に対する新たな治療法として2005年に組織プラスミノーゲンアクチべーター(rt-pa)静注療法が認可されたことは大きな出来事であった.当初発症後3時間以内としていた適応時間も2012年10月に4.5時間まで延長され,現在までに5万人以上に治療が行われている.このrt-PA療法無効例や非適応例に関しては,血脊内治療による血栓回収療法が行われるようになった.ランダム化試験ではェビデンスを示せなかったものの,次々と開発される新たなデバイスを用いての血栓回収療法への期待は大きい.急性閉塞性病変のみでなく脳動脈瘤,頸動脈病変に対する血管内治療の進歩を,血管外科.血钤内外科の両方を専門とする吉村紳一先生に記載いただいた.