心房細動の抗凝固療法：薬剤をどう選択するか

摘要

1. 抗凝固療法開始の判断と薬剤選択のフローチャートが，日本循環器学会のガイドラインにまとめられている.このフローチャートの特徴として，①CHADS_2スコア2点以上ではすべての抗凝固薬投与を推奨，②CHADS_2スコア1点ではdabigatranとapixabanのみ推奨，③その他のリスク因子(心筋症，年齢65〜74歳，血管疾患)が設定されている，④僧房弁狭窄症と人工弁ではwarfarinのみ推奨，という4点があげられる.2. NOACを用いる場合,腎機能障害，肝機能障害，出血高リスク，脳卒中既往など，何らかのリスクを有する症例に対しては，各薬剤の特徴を考慮して投与する.