Ag-エポキシ系導電性接着剤の粘弾性挙動と低サイクル疲労寿命解析

摘要

導電性接着剤の普及にむけて，導電性接着剤を用いた接合部の疲労信頼性解析技術の確立が切望されている．本研究では導電性接着接合部の信頼性解析に必要な力学構成方程式を明らかにするため，粘弾性構成式を用いてAg-エポキシ系導電性接着剤の力学挙動解析の検討を行った．導電性接着剤の時間依存型の静的及び繰返し力学挙動は，応力緩和試験により決定した一般化マクスウェルモデルを用いて精度良く記述することが可能である．また，本研究の範囲では，導電性接着剤の低サイクル疲労寿命は，温度及び制御波形にかかわらず粘弾的損失エネルギーを用いたべき乗則で整理できることが分かった．これは，導電性接着剤を用いて実装した接合部の熱疲労寿命を，粘弾性構成式を用いたFEM解析により算出した粘弾的エネルギー損失で推定できる可能性を示している．