Inconclusive量子最適測定及びその導出過程に対する幾何学的解釈

摘要

Inconclusive量子最適測定に関する幾何学的解釈を検討する．Inconclusive最適測定とは，測定に失敗する（「分からない」という結果を返す）確率を一定に保った上で平均正解率を最大とする量子測定であり，標準的な平均誤り率規準での最適測定及びUnambiguous最適測定をその一部として含む．本研究では，任意の2元純粋状態信号系に対するInconclusive最適測定及びその導出過程について，2次元美空間に測定ベクトルを描画することで得られる幾何学的な措像を示す．また，信号同士の内積が実数で表される対称な3元純粋状態信号系に対するInconclusive最適測定についても，同様の幾何学的描像を与える．