東日本大震災にみる東京湾の物流施設の脆弱性

摘要

本稿では、東日本大震災および過去の地震による被害を踏まえ、東京湾の物流施設の脆弱性、とりわけ液状化にともなう脆弱性について記述•考察する。表1は、液状化の有無による港湾施設の被害額の違いを記したものである。本表から、地震動のマグニチュードおよび最大地盤加速度が同規模であっても、液状化が発生しなかつた場合には、被害は相対的に軽微に留まる一方、液状化が発生した場合の被害額は、液状化無しの場合に比べて、20倍〜50倍と著しく増加していることがわかる。これらの事実は、港湾物流施設の液状化に伴う脆弱性を如実に示すものである。