による海洋環境汚染のリスクと対策

摘要

"マイクロプラスチック"という用語を耳にした読 者がどの程度いるだろうか？マイクロプラスチックと は、5mm以下の微細なプラスチックの総称であり、 元より形状が微細なもの（一次マイク口プラスチック） と大きなプラスチック製品が紫外線などで劣化して 細かく粉砕されたもの（二次マイクロプラスチック） に分類される。マイクロプラスチックは形状が細か いことから低次から高次の栄養段階に位置する多種 多様の海洋生物の体内に取り込まれている。これに 加えて、製造過程や海洋中の漂流過程で有害な汚染 物質が付着•含有することで、海洋生態系の食物連 鎖に悪影響を及ぼす汚染因子として危惧されている。 マイクロプラスチックに起因した海洋環境汚染は、 海洋プラスチック汚染（Plastic Pollution)と称され、 現在では気候変動と並んで深刻な地球規模の越境問 題として認,知されている。そのため、海洋プラスチ ック汚染に関する対応策が国際的に議論されるとと もに、欧米諸国でプラスチック使用の規制など対策 が進められている。本稿では、海洋プラスチック汚 染のリスクにつt >て科学論文をレビューしながら解 説し、リスク軽減に向けた対策について議論する。