根切り深度より基礎が浅い建物に近接した事例

摘要

近年の都市部の建築工事においては，鉄道などの公共施設や一般建築物との近接施工となる場合が多い。公共施設に近接した工事においては，施設の管理者により整備された近接施工に関するマニュアルなどに基づき近接施工を行っている。一方，一般建築物と近接した工事においては，近接施工に関する基準などが定められていないため，建物の所有者および施工者とも手探りで協議を行ってきた。本年，日本建築学会より「近接山留めの手引き」が発刊され，今後の一般建築物との近接施工におけるガイドラインとなると考えられる。「近接山留めの手引き」においては，一般建築物との近接施工における影響範囲や山留め壁変位の目安が示されている。しかし，一般建築物との近接施工における計測事例が少ないため,影響範囲や山留め壁変位の目安の妥当性の検証が必要でめる。