第38回 盛土の地震時残留すベり計算

摘要

4.5.4 円弧すベり極限つり合い安定解析(承前)6) 円弧すベり安定解析での地震力の取扱い(承前)(4) すべり土塊内の飽和領域が非排水状態で地震力を受ける場合(4)-1h 飽和土の非排水せん断強度飽和領域を含む斜面の地震時安定解析において，非排水状態の飽和土のスライス底面に地震時に発揮される非排水せん断強度τ_(f.u)は，スライス底面の初期有効拘束圧の関数であると同時に，非排水繰返し載荷によって低下してゆく。本連載で説明しているNewmark-D法では，上記を踏まえた全応力法によってτ_(f.u)を求めている。一方，τ_(f.u)を地震時有効応力の関数，すなわち初期有効拘束圧と地震時過剰間隙水圧Δ_uの関数とした有効応力法(いわゆるΔ_u法)が従来から広く用いられている。この方法は，図-4.141を参照して次式の有効応力の原理を基本としている。