日本建築学会「山留め指針」の変遷

摘要

日本建築学会「山留め設計指針」が2017年11月に刊行された。日本建築学会の山留め指針は，1974年の「山止め設計施工指針」が初めての制定であり，1988年と2002年には「山留め設計施工指針」として改定刊行している。仮設構造物である山留めは仮設構造物であるがゆえに，崩壊災害の防止や周辺に対する障害防止という安全性と，経済性の確保が強く要求される。日本建築学会の山留め指針は，これらの要求に応えるべく，時代の状況に応じた技術的な標準を示すことを目的に制定•改定されてきた。今回刊行した「山留め設計指針」は，2002年版の「山留め設計施工指針」改定後，ほ年間で生じた社会的環境条件の変化や山留め技術の進展を反映したものである。日本建築学会の山留め指針制定•改定の社会的背景や技術の状況は，それぞれの出版時の序文，検討項目や検討方法などに記述されている。