コンクリートのひび割れ幅で，「鉄筋コングノート造建築物の収縮ひひ割れ制御設計・施工指針（案）・同解説)」（日本建築学会）では，許容幅が0.3mm，限界幅が0.5mmされ，「ひび割れ調査，補修・補強指針2009」（日本コンクリート工学会）では制限幅が0.2mm以下とされている根拠は？

摘要

コンクリート中の鉄筋は，アルカリ環境におかれて腐食から守られているが，ひび割れが生じると図1に示すように，ひび割れから侵入したCO_2がブリーデイングなどで生じた空隙に達し，鉄筋まわりのコンクリートが中性化する。同時に，鉄筋腐食に必要な水や酸素が健全部などから供給され鉄筋が腐食する。したがって，鉄筋コンクリート部材のひび割れは，鉄筋の腐食，すなわち耐久性の観点から許容ひび割れ幅が定められている。