長期間変形が継続する軟弱地盤上の高速道路盛土

摘要

軟弱地盤上に盛土を計画する際の問題として，建設段階では盛土の破壊に対する安定性や，過大な沈下および周辺地盤の変形に大別できる。中でも，傾斜基盤上の軟弱地盤は盛土の破壊事例が多く，特に安定性で問題となる地盤である。また，供用開始後の維持管理段階では長期的に継続して発生する残留沈下が問題となる。そのため，軟弱地盤対策工の基本的な課題は，盛土を安定的に立ち上げるための対策とするものと，供用後の不同沈下や構造物との段差の原因となる残留沈下の軽減対策とするもの，さらには両者を兼備したものに分けられる。対策工は単独に使用されることもあるが，一般的には組合わせで用いられることが多い。