グローバル生産に対応する自動車ボデー溶接技術: 自動車産業の溶接工程に携わる技術者への備忘録

摘要

1980〜90年代の日本自動車産業の高度成長，グローバル展開を経験した私として，トヨタ自動車リタイヤから6年，現役時代の経験を若い技術者へ伝承し，同じ失敗を繰り返さず，経験の上に今後の技術進歩を積み上げることを期待し，本稿を起稿することにした.アメリカのシリコンバレーで育ったィーロン•マスクCEO率いるテスラモータが量産を狙った「モデル3」の生産が週5000台の生産目標にやっと達した，地獄の日々であつたとの報道が2018年7月にあつた.生産開始から1年を経過している.自動車の生産はロボットを買ってきて並べてもうまくいかないことは，この記事を見てもよく判る.量産技術はロケットを1回飛ばすこととは違うし.それよりはるかに難しいことは明白である.ロケットを飛ばすことが2回に1回の成功で，良品率が50%では自動車のような大量生産は成り立たない.