オゾンを用いた余剰汚泥減量型活性汚泥プロセスにおける無機元素の挙動

摘要

オゾンを用いた余剰汚泥減量型活性汚泥プロセスの回分式リアクターで長期に生下水の処理運転を続けた場合の，活性汚泥中と処理水中の無機元素について調べた。活性汚泥中の総無機成分の割合は通常の活性汚泥法に比べて増加したが，一定値に達すると飽和しそれ以上増加しなかった。活性汚泥中のAl,P,Ca,Fe,Cu,Zn,Cr,Ni,Pbの濃度は通常の活性汚泥法で運転した場合よりも高くなった。これに対してMnの汚泥中の濃度は通常の活性汚泥より少なかった。またNaは差がなかった。処理水中の溶解性無機元素の濃度に関しては，大部分の元素が減量系と対照系で明確な差は見られなかった。ただし，36～90日目の減量系の処理水中のFeは対照系に比べて高くなり，同様に177～257日目で対照系のMnの濃度は減量系よりも高くなった。