リスクコミュニケーションという社会技術の使い方

摘要

2011年3月に起きた原発事故以来，放射線の安全情報に混乱がある。1年経過した2012年5月現在でも，何を信じればいいのか，何が安全であるのか，一般の不安が依然として大きい。この混乱はなぜ起きるのだろうか。ーつは，リスクコミュニケーションは社会技術で，論理的で正確な説明をしたからといって，必ずしも相手に伝わるものではない，との認識が広く共有されていないことにある。リスクのイメージを具体的に描けるよう具体例を入れながら，そして誰でもが話せる言葉で継読した対話を行うことかーつの突破口であることを論じていく。