従来型基準とHACCP導入型基準について

摘要

厚生労働省医薬食品局食品安全部は、2014年5月12日の食安発0512第6号にて、「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)について(以下、本指針という)」の通知が行われた。この通知には、食品の製造又は加工における国際的な標準の衛生管理の手法では、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point：危害分析及び必須管理点)が国際的な標準となっていること。そして、HACCPの導入により、食中毒の発生及び食品衛生法に違反する食品の製造等の防止につながり、食品の安全性の向上が期待されることなどが書かれている。 この本指針には、今までの従来の基準(以下「従来型基準」という)に加え、新たにHACCPを用いて衛生管理を行う場合の基準(以下「HACCP導入型基準」という)を規定することで、国内の食品等事業者に対してHACCPの段階的な導入を推し進めている。厚生労働省では、新しくHACCP導入型基準を本指針に明記することにより、各都道府県、指定都巿及び中核巿において関係条例の改正から検討されるよう通知したものである。将来的にはHACCPによる食品衛生管理の義務化に向けたスタートラインになっていると考えるべきである。