中山間地の農業振興のためのICT活用について

摘要

収益性の低い中山間地域に新しいタイプの農業にICTを支援ツールとしながらで導入することにどのような意味があるのか?環境にやさしいのか?シンプルに儲かるのか?が,本稿の読者が最も知りたいことかと考える。儲かるかどうかに関して結論から言えば,これまでとおりの中山間地域農業に,単純にセンサ・カメラ・ドローン等によるICT支援を導入しても儲からないだろう。中山間地域は平地に比べてスケールメリットが出にくいため,収益性が低いというのは定説だが,そこに高価なICTを導入しても,コストが増えるだけになる。つまり,ICTが適用された農作物に特別な付加価値・新しい価値が生じ,消費者がそれに応じて,既存の農作物よりも価格が高くとも購入するような,特別な農業生産方法が求められることになる。