成長パラダイムから持続可能性パラダイムへの転換に向けた現代の課題

摘要

1987年に公表されたブルントラント委員会の報告 「我ら共通の未来」で提唱された「持続可能な発展 (Sustainable Development)」という言葉は，その後 1992年の環境と開発に関する国連会議（いわゆる「地 球サミツト」）におけるリオ宣言やアジエング21など の文書を経て世界に広まった。この言葉は，これまで 大多数の国々が有していた成長パラダィムから.将来 世代の発展可能性を損なわない現代世代の発展によ り，環境面や社会面も含めた持続可能な未来を目指す という新たなパラダイムを提示したものとして.当時， 多くの国々に受け入れられた。今では国や地方政府に おける計画やビジョンのみならず，企業や団体におけ る活動指針などにおいても広く使われている。