首相、脱原発依存を修正？実際は政治的に困難で結論先送りの声も

摘要

政府が進める長期的なエネルギー戦略策定に向けた議論のなかで、原子力発電の有無が経済活動に与える影響が明らかになってきた。政府の試算によると、2030年時点で原発がゼロになった場合、実質国内総生産（GDP）が5％下押しされる見通し。家庭の電気料金は現状の2.3倍にもなるといい、生活にも大きな混乱が及ぶとの声が強まっている。こうした試算の公表を静まえるかのように、野田佳彦首相は従来の脱原発依存路線の見直しを図っているかにもみえる。しかしエネルギー政策の軌道修正は政治的に困難との見方も多く、今後の政治判断が注目される。