ゲートからの放流を考慮した平面2次元モデルによるダム調整池内の水位分布の再現

摘要

ゲート放流量は水平湛水仮定に基づいて求められるため，ダム調整池内に水位差が生じる場合には算出される流量に誤差が含まれる可能性がある。本検討では，幅が狭く湾曲しているために出水時に横断方向の水位差が生じるダム調整池を対象に，水位分布の再現とゲート放流量の把握を目的として平面2次元計算を行った。下流端境界条件として横断方向に一定な水位•流量を与えると，調整池内の水位分布の再現性が不十分であることが分かった。そこで，水位•流速の平面2次元計算結果とゲート開度から放流量を求めるゲートモデルを下流端に導入した。構築したモデルを用いた出水時の再現計算の結果，左右岸の水位差を良好に再現できることが確認された。