室内の吸放湿性を考慮したルームエアコンの冷房・除湿による温湿度調整に関する研究 （その1）冷房・除湿特性の把握およびモデルの提案

摘要

住宅における室内温湿度の制御方法としてはルームエアコン（以下エアコン）の利用が一般的である。エアコンには状況に応じて適切に使い分けることを目的として、冷房運転や除湿運転等の運転モードが設定されているが、空調の目標温湿度環境（特に湿度環境）がどの程度実現可能であるか、また処理負荷や消費電力の特性が十分明らかにはなっていない。一方、家具や吸放湿材等は室内の湿度変動を抑制する効果があることが分かっており、エアコンはこれらが併設された状態で目標の温湿度環境を実現する必要がある。本報では、エアコンの冷房運転と除湿運転の特性を把握するために実施した人工気候室実験の結果について考察し、特に冷媒の温度と流量の決定方法、顕潜熱能力、室内機内部の保水量を明らかにし、それらを予測するモデルの提案と検証を行う。