デマンド抑制機能付空調コントローラ: 快適•簡単•経済的なデマンド抑制機能

摘要

2011年3月11日に発生した東日本大震災は，東日本のみならず全国的な「電力不足」を招き，これ以降，ピーク電力抑制の必要性が急速に高まることとなった。夏季や冬季における電力需要は，その30%以上が空調であると言われており，電力使用抑制のためには，①空調の使用を停止する，②空調の設定温度を変更する，③効率の良い空調機に交換（リプレース）する，④ガス空調など電気以外の熱源による空調機に交換する，等の方策が考えられるが，③と④は設備更新に多額の費用がかかるため，簡便に行うためには①と②が主となる。ここで，空調電力の発生頻度分布を見ると，事務所フロアの場合，空調デマンドを40%抑制したと仮定した場合，抑制する時間は年間で14〜39時間，店舗の場合，空調デマンドを20%抑制したと仮定した場合，抑制する時間は年間で36〜73時間であり，いずれもわずかであるため，十分に実現可能であると想定される。