原子力発電の新技術: 高速増殖炉，次世代軽水炉の技術開発の現状

摘要

東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故(以下，「福島第一事故」という。)以降，国内においては脱原発·卒原発の世論が惹起され，すべての原子力発電所が停止した状態が続いている。政府は原子力規制委員会(以下，「規制委員会」という。)の審査を通った発電所は速やかに再稼働させていく方針であり，既設発電所の再稼働に向けて規制委員会による新規制基準への適合性審査が進められている。一方，世界に目を転じると，ドイツやスイス等の一部の国が脱原子力に舵を切ったものの，米国，英国，フランスをはじめ，アジアや中東の国々では福島第一事故後も原子力開発が継続されており，新規プラント建設の動きも活発である。