緑化工事に求められる地域性系統の在来植物とは何か:遺伝子レベルで生物多様性に配慮した在来緑化植物の調達範囲に関する研究

摘要

建設工事に伴う環境アセスメントに対し，「緑化工事に使用する植物については，地域性に配慮した材料を使用すること」という意見をいただくことが多い。従来，在来種や郷土種として入手した緑化植物を使用して，環境に配慮した緑化工事に努めてきた。しかし，最近指摘される「地域性」という言葉の中には，「国内であっても遺伝子レベルで同じとみなされる地域」という意味合いが含まれている場合がある。これはどういう意味なのか。どう対応すべきなのか。本稿では，地域性に配慮した緑化工事にはどのような植物の使用が求められているのか，どうしたらそれが実現できるのかについて，当社の近年の研究成果をもとに紹介する。