SF_6代替ガスの実用性と近年注目されているF-ケトン，F-ニトリルの基礎特性

摘要

電力機器に使用することを前提としたSF_6代替ガスの物理特性に関する着目点について概説するとともに，近年欧州を中心に新しいSF_6代替ガスとして研究が活発化しているF-ケトン，F-ニトリルについて，当研究所にて実施した絶緣性能•毒性に開する研究結果について紹介した。特に絶緣性能に関しては，F-ケトン，F-ニトリルは沸点が高く実用的には混合ガス化して使用する必要があるが,混合ガスのベースとなるCO_2などに6%程度混合することで絶縁性能に関して正のシナジズムを生じ，0.5MPa(abs)のSF_6の絶縁性能に対して，その倍程度のガス圧力で同等の絶縁性能を有することが明らかとなった。また，機器の絶縁設計において重要となるインパルス比ゃ耐金属異物性能については，SF_6機器と同様の配慮が必要であることが判明した。当研究所では，今後もSF_6代替ガス検討会などと協力し，これらSF_6代替ガスの実用性に関する研究を実施していく。